ニテロイ・ペスタロッジ協会へのリハビリ装置供与
在リオデジャネイロ日本国総領事館及びリオデジャネイロ州ニテロイ市のペスタロッジ協会は、この度以下の通り、日本政府の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の契約書署名式を行いました。これにより、同協会はリハビリ装置購入の為、日本国民より90,700米ドルの無償資金援助を受けることになります。
「草の根・人間の安全保障無償資金協力」契約書署名式
日時:2006年2月16日、午後4時
場所:在リオデジャネイロ日本国総領事館
署名者:在リオデジャネイロ日本国総領事館-神谷武総領事
ニテロイ・ペスタロッジ協会-リザイール・デ・モラエス・グアリノ会長
リハビリ装置供与計画
当計画は、リオデジャネイロ市から約20kmに位置する衛生都市ニテロイ市のニテロイ・ペスタロッジ協会にリハビリ装置(筋力測定・筋肉増強装置)を供与するものです。
同装置は、血管梗塞、脊髄外傷、筋異栄養症、関節症、骨折、神経障害等によって筋肉が衰弱し、歩行その他の運動障害を被った患者の筋力回復及び歩行等の訓練の為、同協会リハビリ・センターにて筋力を測定し、筋肉を増強する為のものです。同センターの患者の内、約80%は歩行運動を行なう筋肉に問題があるとのことです。
ニテロイ市の人口は47万人ですが、ある程度の規模の施設を備えた無料のリハビリ・養護施設としてはニテロイ・ペスタロッジ協会が市内唯一です。貧困層を中心として、同施設で年間延べ25万人以上が治療を受けています。同協会の設立は1948年と非常に古く、約8万平方メートルの広大な敷地内にリハビリ・養護施設の他、大学及び大学院も所有し(設立は1985年)、理学療法、作業療法、聴覚、歯科等の専門家の育成にも力を入れています。また、身体・精神児童に対するリハビリや教育も盛んで、障害児童約680名が特殊教育を受けています。2006年2月現在の総職員数は379人、この内、理学療法士28人、心理学者24人、特殊教育教師23人、言語聴覚士17人、作業療法士16人。この他に理学療法科の大学生も卒業前に約1年半、各専門分野の実習研修生(105名)として、献身的に当施設の障害者のリハビリや養護に当たっています。
本件装置により、効果的なリハビリを行なうことが可能となる他、理学療法士1人当たりの患者数も大幅に増加すると見込まれます。また、回復期間を短縮できるという患者への直接的な裨益効果はもちろん、理学療法によるリハビリを学ぶ学生が本件装置を使った研修を行うことが可能となるところ、これら学生が習得した科学的な技術をもって、将来、各地で活躍することを勘案すると、間接的な裨益効果も大きいと考えられます。
澤田俊明経済補佐(左端)
ヴィニシウス・マルチン氏-ニテロイ・ペスタロッジ゙協会広報部補佐(左より2人目)
リザイール・デ・モラエス・グアリノ会長-ニテロイ・ペスタロッジ協会(左より3人目)
的場幹雄領事(右より3人目)
神谷武総領事(右より2人目)
マリーザ・バセラー女史-ペスタロッジ゙大学理学療法科コーディネータ(右端)