ニテロイ・ペスタロッジ協会へのリハビリ装置供与

 

当館は、リオデジャネイロ州ニテロイ市のペスタロッジ協会に対し、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により189,563.00レアル90,700.00ドル)を供与しました。そして、リハビリ装置の購入及び設置が完了したことから20061121日、同協会にて供与式を行ないました。本式典には、当館より福川正浩前総領事、的場幹雄領事等、被供与団体よりリザイール・デ・モラエス・グアリーノ・ニテロイ・ペスタロッジ協会会長、理事等の協会関係者及び理学療法病院、理学療法士、クリニック関係者の他、ヒーヴォ・ジアニーニ・デ・アラウージョ渉外局長(ニテロイ市長代理)等約100名の出席を得て、盛大に実施されました。

 

供与されたリハビリ装置の前で、左より福川前総領事、リザイール会長、ヒーヴォ局長。

 

リハビリ装置供与計画

1948年に設立されたニテロイ・ペスタロッジ協会は、約8万平方メートルの敷地内に数多くの建物を持ち、知的・精神・身体障害者に対して、理学療法、作業療法、言語聴覚等の各種リハビリの他、初等教育、補修教室、職業訓練教室等を行っています。

 

2005年の裨益者は、貧困層を中心として延べ約37万人に達しました。また、大学及び大学院を持ち(設立は1985年)、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科医等の養成を行っています。人員体制としては、現在、職員351名、理学療法士26名、言語聴覚士15名、作業療法士14名の他、大学生の実習研修生(卒業前の約1年半)144名を有しています。

 

当計画では、同協会リハビリ・センターに筋力測定・評価及び筋肉増強をう為の最新リハビリ装置を供与しました。同装置は、血管梗塞、脊髄外傷、筋ジストロフィー、関節症、骨折、神経障害等によって筋肉が衰弱し、歩行その他の運動障害を被った患者(知的・精神・身体障害者が多い)の筋力回復及び歩行等の訓練の為、適切で効果的なリハビリをう為のものです。なお、同センターで運動障害の為のリハビリを受けている患者は現在420名おり、その内の約80%は歩行運動を行なう筋肉に問題を抱えています。

 

本件装置により、多数の患者が歩行訓練等のリハビリを行なうことが出来る他、理学療法士1人当たりの患者対応数も増えると考えられ、経費削減が見込まれています。また、理学療法学科の学生(現在251名)が本件装置を使った研修をうことも可能となるところ、これらの学生がここで習得した技術を駆使して将来各地で活躍することを勘案すると、間接的な裨益効果も大きいと考えられます。

 

患者と指導にあたる理学療法士たち。