教育施設整備計画

 

当館は「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により、ミナスジェライス州カラチンガ市の青年の街教育基金に教育施設の改修及び増築工事のための174,466.48レアル(約999万円)を供与しました。そして、この度その改修及び増築工事が完了し、2011年10月28日、供与式が青年の街教育基金にて行なわれました。

 

式典は、当館から木村元(はじめ)総領事代理(当時)、ジョアン・ボスコ・ペシーネ カラチンガ市長、青年の街教育基金からセバスチアン・ファウスト・ダシルヴァ会長及び団体関係者、同教育施設の児童・生徒等400名の出席を得て盛大に行なわれました。

 

 

 

記念プレートを除幕した木村総領事代理(当時)とジョアン・ボスコ市長

 

供与式で挨拶をする 木村総領事代理(当時)

 

教育施設整備計画

 青少年の街教育基金は1984年に設立された非営利団体で、ミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテ市の東340kmに位置するカラチンガ市にあります。同団体は、サンタクルス地区の貧しい家庭の7歳~15歳の青少年約1,100人に対し、基礎教育授業時間外に補修学習、芸術・スポーツや心理カウンセリングを行っています。

 また、14歳から15歳の優秀な生徒には企業や商店で見習い仕事を経験できるように会計、英語、パソコン等を教えており、16歳~18未満の中等教育の生徒に対しては、青年見習い労働プログラムにより、授業時間外に見習い仕事をさせています。そして、土曜日には道徳、市民の義務等について講習をしています。

 

 同団体の教育施設は古い養鶏場を教室に改築したもので、1棟教育施設の6教室すべての窓には戸やガラスがなく、鉄格子があるだけで、天気が良い日は直射日光が入り、天候が悪い日には雨や風が直接吹き込むような状態でした。床は古くなり一部剥がれており、天井はなく、屋根の瓦の暑さや寒さが室内に直接伝わるので、生徒はなかなか勉強に集中できない状況にありました。また、この第1棟教育施設にはトイレがないため、施設のトイレの絶対数は不足しており、第2棟教育施設内の老朽化したトイレも水漏れ等で非衛生的な状態でした。さらに、第2棟の老朽化した台所の流し台も非常に小さい上、床、壁タイルの一部が剥がれているため、非衛生的で、効率よく台所作業ができませんでした。

 この教育施設にはこれまで約80人の子供が空きを待っており、教室の増設が要望されていました。また、前カラチンガ市長は連邦政府よりパン・菓子製造に必要な設備の寄付を受けていましたが、パン・菓子製造室を建てる資金がない為、設備は保管されたままでした。それ故、この設備を利用して14歳~15歳の仕事見習生にパン・菓子製造訓練をさせるための施設の建設が要望されていました。

 

 このためわが国は、教育施設の整備と既存の一室のトイレへの改築、老朽化したトイレ及び台所の改修を行い、2教室及びパン・菓子製造室を増築しました。これにより教師や生徒の教育環境が大幅に改善され、2教室の増築により新たに約80名の受け入れが可能となりました。また、パン・菓子製造室の建設では、生徒約150名がパン・菓子の作り方を習得できるようになり、こうした技術の習得により生徒たちの就職が容易になるよう協力しました。

 

 

 

供与式に参加する児童・生徒たち

 

増改築された教室

 

 

新設されたパン・菓子製造室

 

パン・菓子製造室内部