小児がん患者支援センター整備

 

当館はヴィトリア州ヴィトリア市の「エスピリト・サント小児がんと闘う会(ACACCI)」に対し、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により95,845.70レアル(約519万円)を供与しました。そして業務用調理設備、食堂設備等の購入及び据付が完了したことから、2007年8月2日、同会にて供与式を行ないました。式典には、当館より福川正浩前総領事、高山智行領事等、被供与団体よりスエリー・ミランダ・コー会長、その他理事、職員、ボランティアの他、クリスチーナ・ヴェローゾ・サントス州知事代理(州経済開発庁長官)等、約150名の出席を得て、盛大に実施されました。

 

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供与式の様子

左より、クリスチーナ・ヴェローゾ・サントス州知事代理(州経済開発庁長官)、スエリー・ミランダ・コーACACCI会長、福川正浩前総領事、グリセル・ダヴェルACACCI初代会長(創始者)

 

小児がん患者支援センター整備計画

ヴィトリア市の人口は約31万人、近郊6市を含めた大ヴィトリア圏の人口は約160万人で、エスピリト・サント州の全人口の47%を占めています。産業としては、ヴィトリア港からの鉄鉱石等の輸出関連業やアルセロール・ミタル・ツバロン製鉄の製鉄業等がありますが、人口当たりの殺人発生率は全国一で、その背景には深刻な貧困があります。

 

「エスピリト・サント小児がんと闘う会ACACCI」は、ヴィトリアの州立小児病院でがん治療を受ける貧困家庭の小児がん患者と付添人(主に母親)を物質的、精神的に支援する目的で1988年に設立され、宿泊・食事・食料品・交通・薬・補修授業・使い捨ておむつ、葬式費用等を無償提供しています。現在、患者の出身地は大ヴィトリア圏、州内各地から隣接するミナス・ジェライス州東部、バイア州南部にまで及んでいます。

 

当計画では、20068月に同会が新築した小児がん患者支援センター(1,576㎡)に業務用調理器具、食堂設備、椅子、洗濯機、掃除機を供与しました。

宿泊者(小児がん患者と付添人)50人に、おやつ2回を含め、15食提供する為の冷食品(サラダ・デザート等)用配膳台、温食品(メインディッシュ)用配膳台、トレイ返却窓口、電気湯煎器、食器棚、ガスこんろ、レンジフード、冷蔵庫、冷凍庫等、24種類の業務用調理設備。

食堂設備(テーブル12台、椅子102台)。

職業訓練室の椅子30台。

図書室の椅子14台(コンピュータ用、図書係用も含む)。

宿泊者用の洗濯機2台(自分で衣服を洗濯する為)。

図書室、職業訓練室等で使用する為の掃除機1

 

本計画の実施により、調理場と食堂の衛生環境が改善され、食事も迅速に準備することが可能になる他、職業訓練室、図書室、洗濯場もより良く整備され、小児がん患者と付添人の生活環境が大幅に改善されるものと期待されています。

 

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供与された食堂テーブルと椅子を利用する
小児がん患者及び付添い人
   
食品配膳台