さらに地域ニーズ・最新の医療事情に応じた病院設備に。
~医療機材整備計画~

 当館は、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により、ミナスジェライス州カンペストレ市のカンペストレ慈善病院に対し、設備の近代化への対応と老朽化した医療機材の更新を目的とした医療機材の購入のための220,279.24レアルを供与しました。そしてこの度、その購入が完了し、2013年6月14日に同病院にて供与式が行われました。

 式典には、当館から木村元(はじめ)総領事代理(当時)、ゼノン・エリアス同病院院長、同様院職員多数、カンペストレ市長、同市局長多数、近隣都市であるカルダスノーヴァス市日系協会代表など多数が出席しました。

 

 

医療機材整備計画とは

 カンペストレ市はミナスジェライス州の南西部(州都ベロ・オリゾンテ市の南西410km)に位置し、人口は約22千人です。住民の大半が民間の医療保険に加入出来るだけの所得がなく、医療は政府単一保健システム(SUS)に依存しているのが実情です。

 カンペストレ慈善病院は、慈善病院であることから貧者の救済を重視している病院です。そのため、病院の収入では職員給与や機器のメインテナンスなど、病院を維持するための経費しかまかなえず、大規模なリフォームや,新規機材の購入などは,外部からの寄付に頼っているのが実情です。

 日本政府は、平成17年に草の根無償資金協力により、医療サービス向上のための各種医療機機材を供与しました。これにより、供与された機材を活用しての診療又は検査の数は飛躍的に伸びました(中には578%の伸びを示したものもありました)。しかしながら、依然として老朽化した機材や不足している機材は存在し、機材の向上を図る必要がありました。

 具体的には、3部屋ある手術室のうちの1つの手術室の手術台及びライトの老朽化、手術台や麻酔設備の旧式化、マルチパラメーターモニターの数の不足、産婦人科部門における保育器が一台のみしかないこと、州の衛生当局から指摘されている小児科電子体重計の不存在、洗濯物洗浄用に必須と衛生当局から指摘を受けていた専門の重量計の不足、移動が難しい患者や重症患者用のポータブルレントゲンの不存在などです。

 このため我が国は、これらの医療設備の整備、専用機材の購入を行い、最新の医療事情に応じた設備に改善に資することができました。同病院は、カンペストレ市及び周辺50km四方の計6市(人口合計約63000人)中で唯一の総合病院であり、カンペストレ市を併せると約83000人を対象として医療を実施していますので、この支援により、広範囲の地域のニーズに対して、よりきめ細やかで質の高い医療サービスを提供することができるようになりました。